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藻場通信

磯焼けの海を海藻の

藻場通信 vol.2

 前号では、コンブの種を付けたコンクリート板を、海中に設置したところまでお話ししました。

 最近の様子をのぞいて見ると、コンブが順調に成長しています。本当はコンブの芽生えを紹介できればよかったのですが、思いのほか成長がよく、配信まで待てずに大分伸びてしまいました。
 

写真 水中ライブカメラの映像(2021年1月28日)

 

 ところで、コンブには一生のうちに胞子体と配偶体という二つの世代があり、世代交代をしています。私たちがよく目にするいわゆるコンブは、胞子体です。秋になるとこのコンブから種(遊走子)が出て岩などに付着し、配偶体とよばれる姿に変わります。配偶体はオスとメスに分かれることから、以前は有性世代と呼ばれることもありました。彼女ら、彼らはおのおのが卵と精子を出し、受精して幼いコンブが生まれます。まるで人間のようですね。

 


図 コンブの生活環
“コンブ(昆布)とは-コトバンク”より引用

 

 話しは変わって、水中ライブカメラの映像をよく見ると、コンブは、私たちが種を付けたコンクリート板にはもちろん、種を付けていない鉄パイプにも生えていることが分かります。鉄パイプに生えたこの子たちはいったいどこからやってきたのでしょうか。

 「あなたの子よ」「そんなはずはない」・・・。こんな時、人間ならどうするでしょうか。DNAによる親子鑑定をするかもしれません。実はコンブでも親子鑑定の技術が開発されており、すでに試験研究機関では行われているようです。この技術を使えば、のちにコンブの森が生い茂った時に、それが自分たちの手で精魂込めて育てたコンブなのか、それともたまたまどこからか流れ着いて自然に生まれたコンブなのかが判別できると考えられます。

 「お前はどこのコンブじゃ?」

 

次回は、3月25日に公開予定です。

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