皆さんは山菜採りに行ったことがありますか?
野山に入ると、ギョウジャニンニクやタラの芽、フキ等、美味しそうな山菜がたくさん生えています。北海道のフキの採集時期は5~8月頃で、5~6月上旬頃のフキは虫食いも少なく、みずみずしくて美味です。その頃に渓流を歩くと採集者の痕跡をちらほらと見かけます。中には根元から切り取った後に虫食いが見つかり、捨てられているフキも少なくありません…。
捨てられているフキをよく見ていただくと、写真のような虫食い跡を見かけることがあるかと思います。実はこれ、ムカシトンボEpiophlebia superstesの産卵した跡なのです。
つまり、中にはムカシトンボの卵が入っています。ムカシトンボは「生きた化石」と言われ、北海道レッドデータブックにて保護に留意すべき種(留意種)として扱われております。フキごと刈り取られ、虫食いだと言い捨てられてしまうと…当然、ムカシトンボも死んでしまいます。
フキを採集する皆さんには是非、写真のような痕跡を見かけたら刈り取らず、そっとしておいていただければと思います。
太古の昔から生き延びている貴重なトンボを守るために。