先日、小樽市で開催された小型旅客安全講習という講習に参加してきました。
どのような講習かと言いますと、平成15年6月以降に小型船舶操縦士免許を取得した人が対象で、旅客船や遊漁船など人を運送する小型船舶操縦士としての業務を行うに当たり必要となる海難発生時における措置、救命設備等に関する講習です。
車でいうとバスやタクシーの二種免許に該当します。
ちなみに強制ではなく任意で参加しました。
北海道では年に1~2回ほどしか開催されず、また近年では人気があるようで定員30名枠に全道各地から受講者が来ていました。午前10時からの座学では、講師の方が元海上保安庁で巡視船の船長など経験した方で実際に救助にあたった海難事故や訓練の話しなど対処法、救命設備の使用法を学びました。
午後からは実物の6人乗り救命ボートや備品等の説明・使用法、応急救護、AEDの使用法、毛布を使って人を搬送するなどの実技でした。救命ボートは6人乗ると身動きがとれず、救助されるまで何日も乗っていると思うと精神的、肉体的に非常に辛い状況となります。
海上保安庁では、救命ボートに乗せられ海上で一晩放置される訓練もあるそうです。また、備品の中には釣り道具もあり最終手段として魚を釣って飢えをしのいでくれ、ということらしいですが、講師の方は実際に魚を釣ったという話を聞いたことがないそうです。
応急救護では人形を使って心臓マッサージ(1分間に100回が目安)や人工呼吸法、AEDの指示通りにパッドを張り付け作動させるまでの流れを行いました。
今回の講習は試験を受けることなく(試験が無く)修了証を受け取り運輸局に申請すると特定操縦免許という資格が小型船舶操縦士免許に追加され、旅客船や遊漁船の船長になることができます。しかし、船長と遊漁船業務を兼務する場合は遊漁船業務主任者講習を受講する必要があります。
この講習で、船長としての判断力、もしものための人命救助を学びました。
結局は安全が第一です。
次回の小型旅客安全講習は5月23日に開催されます。この機会を逃すと次は来年になると思いますので、興味のある方は受講されてみてはいかがでしょうか。