北海道で洋上風力事業
電力環境部 村上俊哉
2022年9月30日、経済産業省及び国土交通省は、「長崎県西海市江島沖」、「新潟県村上市及び胎内市沖」及び「秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖」の3区域を再エネ海域利用法に基づく有望な区域から促進区域(設置された協議会において合意形成が得られた区域)として指定し、これまで5区域であった促進区域が8区域となりました。2023年1月6日現在で促進区域の6割以上が東北・日本海側に位置します。
一方、今後の促進区域の指定に向けて、有望な区域及び一定の準備段階に進んでいる区域については、有望な区域に新たに「千葉県九十九里沖(九十九里町、山武市及び横芝光町沖)」が追加され、関東・太平洋側が4割を占めており、一定の準備段階に進んでいる区域には「富山県東部沖(入善町及び朝日町沖)」が追加され11区域となり、このうち北海道日本海側が約5割を占めています(下図を参照)。
図 再エネ利用法の案件形成状況
(出典:経済産業省資源エネルギー庁)
促進区域の指定基準のうち系統(送電線)確保に関する要件に関しては、令和3年7月に区域指定ガイドラインが改定され、国が対象区域の適切な出力規模を定め、必要な系統容量をあらかじめ暫定的に確保する「系統確保スキーム」の適用により系統確保を行う仕組みが導入されています。
今般、この系統確保スキームの適用に向けて必要な出力規模や系統接続の可能性確認等を行うための事前調査については、経済産業省の委託調査事業として実施されるとのことです。この事前調査については、一定の準備段階に進んでいる区域」の中から北海道日本海側の5区域が対象となっており、北海道の自然環境調査を専門とする当社は、この洋上風力発電事業を進めるうえで有益な情報をご提供できるものと考えています。
再エネ海域利用法に基づく施設整備では、陸域からの距離により「沿岸施設」及び「沖合施設」に区分して取り扱われ、その地域の漁労活動や海底地形及び底質情報等環境影響評価に係る考慮すべき環境要素ごとの特性の違いに着目した現地調査の実施が重要になります。
エコニクスは北海道の自然環境調査を専門としており、海域、陸域環境調査をワンストップで対応可能です。北海道各地の漁業関係者や地域住民との良好な関係を重視して業務を推進し、お客様のご要望にお応えします。
参考資料
1)再エネ海域利用法に基づく促進区域と有望な区域等について整理を行いました:経済産業省 https://www.meti.go.jp/press/2022/09/20220930004/20220930004.html
2)洋上風力発電関連制度:経済産業省資源エネルギー庁 https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/yojo_furyoku/index.html
3)村上俊哉,洋上風力とエコニクス,風力エネルギー(連載:団体会員発信「わが社と風力エネルギー」~その9),46(1),133-136,2022
再エネ海域利用法、一定の準備段階に進んでいる区域、北海道日本海、
北海道桧山沖、北海道岩宇・南後志沖、北海道島牧沖、北海道松前沖、北海道石狩湾沖、
北海道の自然環境調査、地域と共存共栄、漁業関係者との関係性、地域住民と良好な関係