鳥や魚は、ある程度現場で種の同定ができるのですが、底生動物は顕微鏡下で確認しなければ種を同定することができない場合が多いです。
そのため、底生動物は底質(河床の石や砂、植物片など)ごとホルマリンで固定し、会社へ持ち帰ります。
そして、この中から底生動物(水生昆虫やミミズ、貝など)をより分けるのです。
これは、ユスリカと言う『カ』の仲間の幼虫です。この種では1cm近くありますが、小さいものでは3~4mm程度です。
このような小さなやつらをピンセットを用いて1個体ずつ集め、顕微鏡で見ながら種を同定するのです。
かなり、気の遠くなる作業で、時々猛烈な睡魔が襲います。
気がつくと、ピンセットがバットの水の中に落ちていたり、両目を接眼レンズに激突させてしまったりします。
やりがいをあげるなら、そうですね・・・
種を確定するための特徴、たとえば『第11体環節は顕著な背面瘤をもつ』などのような、非常に小さい部位が今までは見えなかったのに、ある日突然『おっ、これか!!』と見える瞬間。
その瞬間は、ガッツポーズをとってしまうくらいの喜びがあります。
前河 栄二