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2016年09月15日

カギノテクラゲ

 ゆらゆらとした風貌から癒しの効果があるとされる、みんなのアイドル・クラゲちゃんには、強い毒を持つ種がいることも多くの方がご存知かと思います。

 ある日、海藻群落で水中調査を行っているとき、目の前の葉上にカギノテクラゲらしきクラゲがいることに気付いて、慌てて起き上がったことがありました。

 このカギノテクラゲは、名前の通り触手の先端(手)が鉤のように曲がっており、その触手で海藻に絡み付いて獲物を待ち、触手にある毒で仕留める特徴があります。
 また、一般的に広く知られているミズクラゲよりも小型であり、ミズクラゲが直径約20cm程度に対してカギノテクラゲは直径約1cm程度と非常に小型なクラゲです。

 そのため、ドライスーツやフードで防備している状態であってもどうしても僅かに露出する頬や口周りにうっかり刺されてしまうので、真夏でも顔周りを完全に覆うことができるフードを被って調査を行う人もいるほど注意が必要な種です。

 生息域は日本沿岸全域とされており、海水温20~25℃の時期に多く出現する報告があります。本州では6月頃の水温となるので、30℃近くまで上がる海水浴が始まる頃にはあまり出会うことの無い種かもしれません。しかし、北海道では海水浴時期になっても海水温は20℃前後なので比較的多く生息している可能性があります。

 そんなカギノテクラゲに刺された場合には、重い症状として痙攣や呼吸困難に陥る可能性がある怖い種です。
 刺されないためにも、主な生息域である海藻が多く繁茂している所を避けて、ラッシュガードを着るのが効果的です。日焼け対策も同時にできるので、特にお子さんや女性には来シーズンのためにも用意しておくと安心ですね。

 カギノテクラゲは怖い一面もありますが、小さくて海藻に絡み付く姿がクラゲらしくなくて非常に可愛いので、私が好きなクラゲランキングTOP3に入ります(笑)
 水族館にもよく展示されているので、興味のある方は是非探してみてください!

 写真を載せたかったのですが、当時カメラを持っておらず撮影ができませんでした・・・残念。参考までに、下記に鴨川シーワールドHPのURLを記載しますので、リンク先の記事をご覧下さい。

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