留萌から日本海沿岸を車で北上していくと、封鎖されたトンネルや橋脚跡らしきものを目にします。国鉄羽幌線の廃線跡です。羽幌線はかつて留萌~幌延間141㎞を運行していたのですが、1987年3月29日に廃止になりました。その背景には炭鉱の閉山やニシンの不漁、沿線の人口減少があるようです。
私はいわゆる鉄道オタクではなく、鉄道はどちらかというと移動手段の1つとしか考えていないのですが、かつての名残を見ると、当時の雄姿を知らない本州出身の私でも幾分か郷愁的な気持ちになります。
かつて国鉄時代には最長で約4000㎞の鉄道網が北海道に張り巡らされていたそうですが、現在は約2500㎞に縮小されています。道内全体に目を向けてみると昨今では、2016年12月に増毛線の廃止、2019年3月に夕張線の新夕張~夕張間の廃止、札沼線の北海道医療大学前~新十津川間の2020年廃止が決定など、鉄道は廃止の傾向にあります。
一方、高速道路は各地で開通(延伸)が相次ぎ、車での各地へのアクセス時間が短縮されています。そのほか地方における人口減少や都市部への流入といった人口分布の変化、インバウンド観光による外国人の往来増加というように世の中は時々刻々と変化しています。地域インフラの確保や採算性などをキーワードとして、JR北海道をはじめ、沿線の自治体や関係者は存続の可否について頭を悩ませているところだと思います。かつて「試される大地 北海道」というキャッチフレーズがありました。鉄道との向き合い方についても我々は試されているのかもしれません。