北海道で見られるワタリガニの仲間
電力環境部 火力発電所担当チーム
藤谷 秀明
洋上風力に係わるものをはじめ、海洋調査においては、その場所に生息する様々な生物の情報を得ることが大切です。生物は「種」によって分布をはじめ全く異なる性質をもつため、生物の分布状況を知ることで環境の状況を推し量ることができます。北海道でカニと言えばケガニをイメージされる方も多いと思いますが、北海道近海では思った以上に様々なカニが生息しています。今回は、北海道の日本海沿岸で見られるワタリガニの分布と特徴を、当社オリジナルの画像データと共にご紹介します。
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ガザミ Portunus trituberculatus
【分布】
北海道西南部以南沿岸砂底に普通に見られる。深さ10~30mの海底に棲む。
【特徴】
左右に大きなとげが突き出している。雄は暗紫色に雲紋白斑があり、雌は緑がかっている。甲幅は15cm程度であり食用とされる。
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ヒラツメガニ Ovalipes punctatus
【分布】
北海道西南部以南沿岸の砂泥底に普通に見られる。汀線~水深80mの海底に棲む。
【特徴】
甲の形が丸いので関東では「マル」「マルガニ」と呼び、食用にする。甲の中央に「H」字の白い溝がある。甲幅は10cm程度である。
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イシガニ Charybdis japonica
【分布】
北海道西部、石狩湾以南にごく普通で、内湾に多く、時には汽水域にも棲む。岩の多い海岸・河口、あるいは10mくらいの浅海に普通に見られる。
【特徴】
甲は暗青色または暗緑色である。小型個体は甲に短い毛があるが、大型個体ではなくなり、滑らかになる。甲幅は7cm程度である。
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今回紹介したワタリガニの仲間は比較的有名ですが、さらに一般に知られていない生物が出現することもあります。弊社であれば、専門家でなければ分からないような生き物も確実に同定し、環境を知る手助けをすることができます。
参考資料
1) 三宅 (1983) 原色日本大型甲殻類図鑑(Ⅱ). 保育社.
2) 内海監修 (1971) 標準原色図鑑全集16 海岸動物.
3) 保育社.内海監修 (1975) 学研中高生図鑑 水生動物.学習研究社.
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