平成28年12月、北海道はすでに厳冬期真っ只中です。道央地区では12月10日にまとまった雪が降りました。札幌市内においては、同日午後3時に65センチの積雪が観測され、札幌管区気象台によると、12月上旬としては1987年12月3日の68センチ以来、29年ぶりの積雪だそうです。
今年は、例年よりも長く厳しい冬を味わうことになるのでしょうか…?
長く厳しい北海道の冬ではありますが、北東北の日本海側出身の私としては「北海道の冬は太陽が顔を出す機会が結構あるからいいよなぁ~」という印象を持っています。
私の出身地では、冬に太陽が顔を出す機会がほとんどありません。それが「色白で素肌美人が多い県」の所以と言われてはいますが…。暗くどんよりとした冬空が数ヶ月間ほぼ毎日続く、こうした環境下での生活に慣れていない県外からの移住者の中には、気が滅入ってしまう人が大分いるようです。
さて、北海道に移住してから数年後、真冬にオホーツク地方の河川を調査していた際、北海道独特の幻想的・神秘的な光景に遭遇し、私は感動しました。初めて「けあらし」を間近で見たのです。
オホーツク地方の河川で遭遇した「けあらし(左)」と「樹氷(右)」
「けあらし(気嵐)」とは、北海道の方言だそうで、「風がおだやかで氷点下20℃以下の厳寒の朝、陸上の寒気がゆっくりと海上や川面に流れだし、水面の水蒸気を冷やして発生する濃い霧」であり、諸条件が整った時にしか見られない現象です。
寒くて凍えながらも、なんとかこの幻想的・神秘的な光景を記録しようと夢中で写真を撮影したことを今でも覚えています。
北海道の冬は、本州と比べると非常に長くて厳しいですが、その代わり、気分を爽快にしてくれる美しい光景を存分に提供してくれています。これからますます寒くなる時期、出不精になりがちですが、太陽が顔を出してくれた日には、冬独特の美しさを体感しにちょっと郊外まで足を運んでみてはいかがでしょうか?