エココンテンツ

  • エコニュース
  • エコログ
  • エコニクスの森林
  • 藻場通信
  • 環境貢献活動支援
  • 環境パフォーマンス
2017年03月15日

エビの種類と味

 海の生き物を扱う仕事の関係上、私は魚屋さんへ行くとどんな種類の魚介類が並んでいるか、ついつい詳しく見てしまいます。また、最近では冷蔵・流通技術の発達のためか、今まであまり目にしたことがなかった魚介類がお店に並ぶことが多くなったようにも思います。

 魚や貝、カニなどは見た目や名前で種類の違いが分かりやすいのですが、エビなどは一見ほとんど同じものにしか見えません。しかし、北海道で漁獲されるエビにも種類がいくつかあります。しかも、見た目が似ていてもその種類によって、確かに味が違うのです。

 

 店頭で北海道産のエビとしてよく見るのは、甘エビとボタンエビです。甘エビは標準和名ではホッコクアカエビといい、名前の通り甘みの強い味が特徴的です。体は真っ赤で、細くすらりとしています。ボタンエビは標準和名でトヤマエビといい、甘エビより甘みが少ないですが食感がよく、歯ごたえがあります。頭の部分がとさかのようになっているのが特徴的です。

 

 道東で有名な北海シマエビこと、ホッカイエビは生食にあまり向かないようでほぼ全てがゆでられた状態で流通しています。ボイルされたものは甘みと旨みが強く非常においしいです。生きている間は緑色の縦じまの入った姿をしているのですが、ゆでると赤くなってしまいます。

 

 まれにシマエビという商品名で、生の状態で赤い縦じまのあるエビを見かけることがあります。これはモロトゲアカエビと呼ばれる種類で、非常に濃厚甘エビ以上に甘みの強い味がします。資源量が多くないためか、流通量は少ないようです。

 札幌近郊で私が見かけたのはこれら4種類ですが、海の近い町ではガサエビとよばれる、少々怖い顔をしていますが非常においしいエビや、高級食材のブドウエビが売られていることもあるようです。

 

 ほとんどエビだけの話になってしまいましたが、北海道ではたくさんの種類の魚介類が並んでいます。また、港町の朝市などではもっと多くの種類の魚介類を目にすることがあると思います。聞いたことのある有名な種類ばかりではなく、様々な種類に手を伸ばしてみることで新しい発見があるかもしれませんね。

 

 

 

<参考文献>
上田吉幸・前田圭司・嶋田宏・鷹見達也(2003)漁業生物図鑑 新北のさかなたち.674pp.北海道新聞社.札幌.
林健一(2008)日本産エビ類の分類と生態 (157-158). 海洋と生物,30: 58-64,81-187.

<写真参考ホームページ>
“網走のおさかな図鑑 ~ホッカイエビ~”.網走市.
https://www.city.abashiri.hokkaido.jp/380suisangyo/020suisanngakusyuu/030joukyuu/040zukann/140hokkai.html
“エビ類(ホッコクアカエビ・トヤマエビ・モロトゲアカエビ)”.稚内水産試験場.
https://www.hro.or.jp/list/fisheries/research/wakkanai/section/zoushoku/inpvt40000000cu8.html

もどる