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2017年11月22日

先輩、勉強させていただきました

 今回は6月に山登りに行った時のお話をします。

 毎週、日の出を見るために近所の低山に登っていますが、6月頃は日の出が早く、4時前になりますので、自宅を出るのは3時前となります。

 住宅街を10分ほど歩くと登山口となるのですが、早朝なので途中歩いている人を見かける事はまずありません。しかし、その日は私の歩く後ろから「カツッ、カツッ」とスキーのストックをアスファルトに突きながら住宅街を歩いて来る人がいました。

 凄いスピードで私を追い抜き、さっさと登山口に先に入っていきました。見るとかなり高齢の男性で、足に自信のある私も負けじと後を追いました。するとその男性は、登山道に入ると今までカツカツと地面を突いていたストックを両肩に一本ずつ担ぎ、肩の上から後ろに突きだすようにして歩きだしたのです。「お爺さん逆でしょ、山道でこそストック使わなきゃ」と心の中でツッコミを入れながら後ろをついていったのですが、登りはじめて直ぐにその男性の行動の意味を理解する事となりました。

 


再現写真(モデルは娘)

 

 夏山での3大怖いもの(私にとって)は、まずはヒグマです。幸いまだ遭遇した事はありませんが、時折出没情報が出て登山道が閉鎖されます。次は虫(オオスズメバチ)です。秋口になると登山道に出没し、しつこく追いかけられて怖い思いをします。

 そして3つ目は、春限定となりますがカラスです。山の中に巣をつくり、子育て時期になるとかなり離れた場所を歩いていても威嚇してきます。威嚇を無視して巣に接近すると後ろから音も無く近づき、後頭部を飛び蹴りするという攻撃に出ます。しかも、(つが)いで攻撃してきますので、片方に気を取られていると、もう片方が後方に回り込むという高度な戦法で仕掛けてきます。巣近くの危険地帯を通り過ぎるまで息を継ぐ間もなく攻撃を受け続けるので精神的にかなり疲弊します。

 

 

 ストックの男性と会った日はまさにカラスの子育て時期でした。無防備で入った私は複数のカラス攻撃隊から猛攻を受けることとなりました。しかし、前を行く男性は全く攻撃を受けず、スイスイと先に行ってしまいます。そうです、肩から突き出したストックが邪魔でカラスは攻撃コースに入れないのです。完璧な防御です。カラスの威嚇など全く気にも留めず、直ぐに私の視界から消えて行ってしまいました。

 

 さすが先輩。勉強になりました。

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