先日、マリンラボのある函館港に水中監視カメラを設置したことはすでにお知らせ済みですが、定点観測から非常に興味深いことがわかりました。
ある日画面を眺めていると、アカザラガイが水中を飛んでるような映像を目撃しました。
最初は半信半疑でしたが、飛んだ先を確認すると、生きたアカザラガイが落ちていました。
そこでこれまでの映像を確認したところ驚愕の事実が判明しました。
観察された場所は割れたブロックの傾斜部です。操作画面のホームポジションの位置になります。
見にくいですが①のところに貝が出現しました。
①の貝がはっきりとわかるようになりました。
さらに②と③にも貝が出現しました。
③の貝は上に移動し④にも貝が出現しました。よく見ると①の周りの貝も微妙に移動しています。
なんと2週間で4個体もアカザラガイが増えました。
数日で稚貝が大きくなるわけもなく、まさしく貝が海中を飛んで移動してきたことになります。
アカザラガイは普段は足糸で岩に付着しているので、まさかこんなに動くとは思いませんでした。
海にはまだまだ知らないことがたくさんありますね!!
<参考文献>
アカザラガイ(アズマニシキガイChlamys nipponensis Kuroda)の生態に関する二、三の知見 北水試月報 / 北海道立中央水産試験場 編 16巻6号
※写真は実際の映像を取り込んだもので,赤線と赤丸と数字の加筆とサイズの変更以外は一切の加工をしていません。