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エコニュースVol.065

1998年11月01日

環境ホルモンシリーズ Part3

環境ホルモンとのつきあい方

株式会社エコニクス
 技術開発部 技術開発グループ 本間 義規

 国内では工場からの排水や排煙などによる公害が多発し、多くの人々の健康が損なわれました。その後、排水や排煙の中に含まれる有害物質を排除するために基準が決められましたが、環境ホルモンに関しても同じように規制することは、ほとんど不可能に思われます。なぜならば、環境ホルモン物質がふだんの生活の身近なところに存在しており、なおかつそれらの物質を使うことによって私たちは多大な利益を得てきたからです。

 このような状況でただ闇雲に化学物質を規制すれば、そのコストは大変なものとなり逆にエネルギーを浪費することになってしまいます。このことから環境ホルモン問題に関しては「リスク管理」の考え方に基づいて取り組む必要があります。「リスク管理」とは「リスク(危険)は必ずあるもので、ある程度は許容せざるを得ない」という割り切った考え方です。一見悲観的で諦め混じりな考え方にもとられますが、この考え方の例として自動車や飛行機、お酒やタバコなどがあげられます。これらのものは「リスク(危険)」もありますがそれ以上に多くの「ベネフィット(利益)」をもたらしてくれます。環境ホルモンの場合もその物質を使うことによる「リスク」と「ベネフィット」との兼ね合いで考える必要があります。例えばラップについては、普段おにぎりやおかずの残り物を保存するときにはとても便利ですが、それを加熱するとき直接食品に触れていると、環境ホルモン物質が溶けだして食品に染み込む危険性があります。従って電子レンジなどで温めるときは直接食品に触れないようにすることによって、リスクを低減することができます。いきなり何もかも使わないようにするのではなく、できる範囲から始めていくのが望ましく思われます。

  環境ホルモンとつきあうには、つかず離れずの微妙な関係を保つのが秘訣のようです。

※今シリーズでは、「外因性内分泌撹乱化学物質」を分かりやすく表現するため、メディアが総称している「環境ホルモン」という言葉を使用しました。

 

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