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エコニュースVol.043

1997年01月01日

ヤリイカシリーズ Part1

イカ!した味の海の幸

株式会社エコニクス
 常務取締役 佐々木 達

 日本人は世界一イカの好きな国民です。1990年のFAOの統計によると、全世界のイカ類の漁獲量の201.8万トンのうち日本漁船が28.0%(56.5万トン)を漁獲しています。また、1988年頃、大日本水産会が実施したアンケートによると、イカは家庭内購入量と調理のしやすさともに第1位、また、主婦の好むさかなの第3位に上げられています。

 魚貝類の中で日本人はイカを一番好み、年間1人当りイカを1.5kg(普通の大きさのイカで4~5匹)も食べています。ちなみに第2位のサケで1.2kg、第3位のエビ・カニで0.9kg、第4位のマグロで0.8kgです。

 北海道では、スルメイカ、アカイカ、アオリイカ、ヤリイカ、ジンドウイカなどが漁獲されています。このうちで、春と秋に漁獲されるヤリイカは高価ではあるがその歯ごたえの良さから、多くの人の舌を満足させています。このヤリイカは、北海道では道南の日本海を中心に漁獲されています。漁獲量は年変動が大きく、1960年代前半までは1,000トンから2,000トンの高い水準にありましたが、その後減少し、1991年以降1,000トンぐらいまで回復しましたが、以前の水準には達しない状況です。このようなことから、北海道におけるヤリイカ資源の増産と安定化が望まれています。

 ヤリイカは軟体動物門、頭足綱、ジンドウイカ科に属し、体は極めて細長く、ヒレは縦長の菱形で外陰長の半分以上を占め、ヤリ状に後方にのびていることからこの名前がついています。

 雌に比べ雄の方が大きくなり、外陰長で雄は40cm、雌は28cm位に成長します。ヤリイカは日本周辺の大陸棚上とその周辺域の底層に広く分布しています。北海道では対馬暖流や津軽暖流の直接的影響を受ける海域に分布は限られています。産卵期は場所によって若干異なり、北海道では水温が最低となる2、3月を除く1~6月、盛期は4~6月頃と推定され、産卵海域の水温は小樽近海で10.2℃(10m層)といわれています。二次性徴として、雄の第4腕が交接腕として変形し、この交接腕に付けられた精莢を雌の外陰に差し込んで交接が行われます。交接時間は5分位と思われます。
 

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