養殖シリーズ Part3・マリノフォーラム その2
株式会社エコニクス
常務取締役 佐々木 達
北海道パイロットファームプロジェクトは、平成3、4年度における現地調査、設計基準の検討の後、設計、制作を終え、平成5年6月檜山管内奥尻島東岸赤石岬沖合い約500m、水深17m(気象庁の1mを加えた値)地点にジャッキアップタイプの3本足の海上ステーションを中核とする沖合養殖パイロットファームが建設されました。
沖合養殖パイロットファームの特徴は、環境変化と魚の成長過程に応じた給餌コントロールをデータベース化する機能を備えたこと、そのため給餌をドライフード(ドライペレット)に限定したこと、そして、生け簀の魚をソナーや水中テレビで遠隔監視し、海上ステーションで魚群の行動や状態を把握する機能を備えたことです。パイロットファームの設計に当たっては、技術的ハード面ばかりが先行し、養殖対象生物をデリケートに管理するソフト面が軽視されているとの疑問もグループ内から多く出されました。しかしながら、養殖業を従来の経験的家業から、技術データを根拠とする近代産業に転換させることを目指して実施されました。