<地球環境シリーズ Part7>
株式会社エコニクス
環境事業部 泊担当チーム 高泉 雅樹
(気象庁より許可を得て掲載しております。)
上の天気図は日本列島の西に高気圧、東に低気圧が配置されることから、通称「西高東低の冬型の気圧配置」と言われています。このような状況では、以下の事象が起こります。
1. 高気圧と低気圧の風の動き
高気圧は時計回り、低気圧は反時計回りで回転しながら、風は高気圧から低気圧へ等圧線より約15°の角度で流れ込む。
2. 等圧線の間隔
高気圧と低気圧の気圧の差が大きければ大きいほど等圧線の間隔は狭くなり、風の流れ込む速度も速くなる。
3. 等圧線の向き
等圧線の向きは北西のため、約15°の角度を考慮すると西の風が吹き込む。
これらの事項がからみあうことで西の風が強くなり、後志を含む日本海側は時化となります。しかし、反対側の太平洋側では内陸から風が吹き出す形になるため、浅めの沿岸域の波は比較的穏やかになります。
この他、冬季になると、雪を降らせるほどの冷たい空気、「寒気」というものが北海道を覆ってきます。この寒気が北海道に近付くと天気図上では確認できないのですが、衛星画像で確認すると雲が筋状に中国沿岸から北海道沿岸まで伸びてくることがあります。これを通称「筋状の雲」と言われています。
このような状況になると筋状の雲の方向通りに風が北海道に流れ込み、雲の厚みが大きいほど風は強くなります。よって、冬季は天気図だけでは判断できないので、雲の動きも重要な判断材料となります。
これから現場作業実施のための天候判断が難しくなる冬季を迎えます。安全に現場作業を実施していく上で必要な知識でもある「天気図の見方」ではありますが、天気図をご覧になった際はこの説明が参考になればと思います。