<CSRシリーズ Part4>
株式会社エコニクス 環境事業部
相内 雄大
ペットとして飼育されている犬の頭数は、2012年に1,153万4千頭でしたが、現在は徐々に減少して2016年で987万8千頭と推計されています。犬の飼育の阻害要因として、「集合住宅に住んでいて禁止されているから」「お金がかかるから」といった経済的な理由だけではなく、「十分に世話ができないから」「別れがつらいから」といった生き物を飼育する責任や家族のように生活を共にするペットとの関係の深さも飼育をためらう要因になっているようです。
最近10年間で多く飼育されている犬種は、ダックスフンド、チワワ、プードルといったほぼ室内で飼育される小型犬が多いことからも人と犬とのかかわりがより濃密になっていることがうかがえます。また、犬の飼育上で不便・不都合なことに「医療費が高い」が一番になっているようですが、その他に「犬と一緒に旅行ができない」、「犬を連れて飲食店に入れない」、「犬を連れて泊まれる宿泊施設が少ない」といった外出先への制限も多いようです。このような制限に対して、インターネット上の宿泊予約サイトでは「ペットと泊まれる宿泊施設」を検索条件に組み込んだり、高速道路のサービスエリアではペット用の水のみ場を併設したドッグランを設けたりするなど、犬と共に外出しやすい仕組みができ始めていますが、まだ不足している状況のようです。
このように犬との外出には制限を受けやすい状況ですが、警察犬や災害救助犬のように人と一緒に活動している犬の姿を見ると、私も犬と一緒に仕事ができないかなぁと思ってしまいます。ヒグマが出没する地域での用心棒役であったり、万が一、山中で道に迷った際には匂いを辿って正しいルートに導いてもらったり、匂いを辿って特定外来生物の巣穴を見つけたりと、宿泊先には困りそうですが犬の嗅覚を存分に発揮してもらえるのでは?と夢見ています。
犬と一緒に仕事ができるようになるのは、まだまだ先の話になりそうですが、社会や環境に与える影響を嗅ぎ分ける力を養い、皆様のお役に立てればと思っています。