<調査機器シリーズ Part1>
株式会社エコニクス 取締役
上田 重貴
水中に沈める機器のケースからケーブルが出ている場合は、ケースとケーブルの接合部分(コネクター)で防水する必要があります。
通常はOリングや円筒状のゴム製のパッキンを使用して防水しています。
この方法ではケースの外側に出てくるケーブルに、予めパッキンを通しそのパッキンを締めつけるカラー等も通しておく必要があります。
当然そのパッキンは円形で切れ目はありませんので、パッキンやカラーの内径よりもケーブル先端に付く部品(ケーブル端子)が大きい場合は、そのケーブル端子を最後に取り付けることになります。
ケース内部の状況
(ケーブル端子が大きいのでこのままではケース外に取り出せない)
これまでは①ケーブルに②キャップ③カラー④Oリング⑤コネクター本体の順に通し、最後に⑥ケーブル端子を取り付けていました。
この方式では以下の様な問題がありました。
・組み立てる際にカラーを入れ忘れた場合、再度コネクターを分解しなければならない
・非分解式のケーブル端子の場合は、線を切断し新たなケーブル端子を使用しなければならない
・そもそも組み立て式のケーブル端子が入手困難
・パッキンの交換はコネクターを分解しないと出来ない
この様な問題を解決するために、切れ目のある割入パッキンや分割式カラーを使用して防水する方法を考案しました。
この技術はすでに実用化され、現在試験公開している水中ライブカメラのケースとケーブルの接続部分はこの方法で防水しています。