猛禽類シリーズ Part2
株式会社エコニクス
環境技術部 陸域環境グループ 渡辺 香織
前号でも述べた通り、猛禽類の生息域がせばめられています。
それは、十分な調査が行われないまま開発が先行していることも一因でしょう。そのような訳で、開発を始める前に調査を行い、そこにどんな生物が生息しているかを把握しなくてはならないのです。
現在行われている猛禽類調査の多くは、定点観察調査といい、調査地内を見渡せる地点を探し、そこで1日観察を行うというものです。地点は複数存在し、お互いに連係をとって観察します。
調査は猛禽の種にもよりますが、1年から数年間継続して行うこともあります。観察の結果から、出現した種ごとに開発による影響の度合いを評価し、対策を考えます。
と、堅苦しく書いてきましたが、日がな1日お空を眺めているのです。
以下は、とある調査員の独り言です。
『冬は冬で寒いし、夏は夏で暑いし、ほんと楽な季節って少ない。1年中真っ黒に日焼けしてしまうし、知らない人がみたら1年中遊んでいるのねって思われてしまう。それもこれも可愛い猛禽君たちのため、頑張らなくちゃ!』
と、彼?彼女?は申しておりました。
現在は、猛禽が注目され調査が盛んに行われていますが、野生生物の中には猛禽と同じくらい、あるいはもっと絶滅のおそれのある生物がいると思われます。猛禽にだけ目がいきがちですが、これからはもっと他の生物にも注意を払わなければならなくなってゆくでしょう。