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エコニュースVol.159

2006年09月01日

陸の生き物シリーズ Part6・危険な生物 その2

調査現場中に出会う危険生物~動物編~

 株式会社エコニクス 
 環境事業部 陸域環境チーム 山越 千鶴

 「北海道の危険生物」と言えば、直ぐに名前が挙がるのはやはりヒグマでしょうか。私たちは、山へ調査に入る際は「クマ避け3点セット」なるものを携帯します。

 熊鈴、ナタ、熊スプレーの3つです。熊に対して最も効果的な対策は、熊に出会わないようにすることです。熊も人を恐れているため、熊鈴の音でこちらの存在を知らせて、偶発的な遭遇を回避します。しかし、事前に熊出没の情報を得ていたり、熊の痕跡が見つかった場合には、熊鈴のみには頼ってはいられないため、大声を出しながら歩きます。これが、長距離歩きながらですと結構体にこたえるのですが、遭遇を回避するためと思い騒ぎ続けます。特に水の流れる場所は、お互い音が聞こえ難くなるのでより注意が必要です。

 そして熊に出会ってしまった時に有効だと言われているのが熊スプレーです。中身は唐辛子のエキスが入っており、レバーを握るとこのエキスが勢いよく噴射します。「それが熊の顔にかかると、その強力な刺激と痛みで、熊を追い払うことができる」とのこと。幸い今まで使う機会がなかったので、効果については証明できませんが・・・。

 しかし、出会ってしまったら、まず熊を興奮させず静かにその場から立ち去るのが鉄則です。ナタは、接近戦に備えてと言いたいところですが、これはもう万が一のための保険のようなものです。調査中、道具として他の用途で使うことの方が多いです。

 また、北海道特有の危険として、キタキツネ経由で感染するエキノコックス症があげられます。エキノコックスと呼ばれる寄生虫の卵がヒトの口から体内に入り、幼虫となって肝臓などに寄生し、肝機能障害などを起こす病気です。幼虫の発育は非常に遅く、自覚症状があらわれるまで数年から十数年かかるといわれています。現在では、血液検査などで早期に発見することができ、手術によって治すことができます。対策としては、絶対にキツネに触らないこと、沢水を口にしないこと、山菜や野山の実をそのまま食べないことなどが挙げられます。

  
      キ タ キ ツ ネ             キタキツネの糞

 春、子ギツネが数m先で蝶を追いかけて遊ぶ、アニメさながらの光景を見たことがありますが、それはもうとんでもなく可愛い姿です。でも可愛さのあまり手を出したい気持ちをグッとこらえ、そこはひたすら我慢我慢。最近では、飼い犬からエキノコックスに感染する事例も出ています。自治体等で無料の検診を行っていますので、心配な人は一度検診を受けてみてはいかがでしょうか。

○クマスプレーについては興味のある方はこちらをご覧下さい
○エキノコックスについて詳しく知りたい方はこちらをご覧下さい。

キタキツネ

キタキツネの糞

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