環境影響評価法・アセスシリーズ Part4
株式会社エコニクス
環境事業部 業務企画グループ 小山 康吉
戦略的環境アセスメント(以下、SEA※)とは、「提案された政策・計画・プログラムにより生ずる環境面への影響を評価する体系的なプロセス」と定義されております。
SEAの目的としては、意思決定のできる限り早い適切な段階において、経済的側面・社会的側面の配慮と同様に、環境への配慮を十分に行い、多面的な検討を実施し、その結果を受け適切な対策がとられることを確実に体系的に実行することです。
基本的にSEAは、環境と持続可能な発展の視点から、適切な意思決定の実施をサポートするツールであり、多くの国々で導入が進んでおります。日本においても東京都や埼玉県が本格的に取り組んでおり、また多くの自治体が検討を進めています。
SEAは、政策や計画を対象にアセスメントを行うものであるため、小規模の開発事業の累積による生態系への影響や交通系事業による大気等への累積的な影響についても、それらの事業に影響を及ぼす各地域の開発計画や関連する政策・計画等を評価することが可能となり、累積的な影響を評価する上で事業アセスよりも適しています。
また、地域の総合的な開発・利用計画や適切な計画・保全の枠組みの設定を行うことが可能となるため、真の環境保全の実施や保全努力の社会的認知、政策・計画の正当性やプロセスの透明性を高めることが可能となります。
戦略的環境アセスメント政策・計画の環境アセスの現状と課題
ぎょうせい,1998より
※SEAとはStrategic Environmental Assessmentの略