<生物多様性シリーズ Part10>
株式会社エコニクス
環境事業部 相内 雄大
平成17年6月1日に施行された外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)が改正され6月12日に公布されました。
外来生物法とは、特定外来生物による生態系、人の生命・身体、農林水産業への被害を防止し、生物の多様性の確保、人の生命・身体の保護、農林水産業の健全な発展に寄与することを通じて、国民生活の安定向上に資するために設けられた法律です。
この中で私たちの生活に身近な部分では、特定外来生物として指定された動植物の国内分布が広がることを防止するため、国内での飼養、栽培、保管又は運搬、野外に放つこと等が禁止されています。また、多くの自治体やボランティア団体がセイヨウオオマルハナバチやウチダザリガニ等の捕獲を行って分布の拡大を防いでいるのはご存じのことと思います。
今回の改正では外来生物の定義が改正され、在来生物と外来生物との交雑種も外来生物に含めることになりました。大変お恥ずかしい話ですが、私はこれまで交雑種も外来生物に含まれているものと思い込んでいましたので、今回の改正内容を知ってビックリしました。
外来生物法で交雑種が外来生物に含められたのは、自然交雑種や人為交雑種が増えつつあり、分布が拡大するとさらなる被害が予想されるためです。これまで「入れない」「捨てない」「拡げない」の被害予防3原則を実行して来ましたが、今回の改正は定着してしまった外来生物や許可を得て飼育されている外来生物によって生じた新たな問題へも対応できる内容になったようです。
外来生物による問題は、外来生物が悪者のように思われがちですが、本来は私たち人間が引き起こした問題です。これまでを反省し、これからも上手く生き物たちと付き合って生態系を構成する一員として認めて貰いたいと思っています。