ウニシリーズ Part4・北海道のウニ漁業対象種
株式会社エコニクス
顧問 川村 一廣
北海道の周辺海域に生息するウニは、10種類以上記録されていますが、現在漁獲されているのはエゾバフンウニ、キタムラサキウニ、チシマオオバフンウニ、ツガルウニの4種です。
エゾバフンウニは、北海道の全沿岸に分布し、水深20~20m以浅の岩礁、転石、礫地帯が漁場となっています。キタムラサキウニは、エゾバフンウニよりもいくらか暖海性でエリモ岬と宗谷岬を結んだ線の西側が漁場となっています。生息水深も180mまで記録されており、一般漁場の水深は、エゾバフンウニと同じですが、ナマコ桁網などにより水深20~50mからも採捕し、浅海域に移植している地域もあります。チシマオオバフンウニは、昭和50年代後半に厚岸など道東太平洋岸で、エゾバフンウニと混獲されるようになりました。体はエゾバフンウニに似ていますが生殖巣の品質が劣り、価格が安く、数量も少ないので、産業的価値はあまりありません。
上記3種は、オオバフンウニ属に属する近縁の種です。オオバフンウニ属には8種以上が記録されていますが、この属は現在でも学者の間で種の分類をめぐって論争されている難しい分類群で、チシマオオバフンウニはホクヨウオオバフンウニと同種であるとする説もあります。最近ロシア極東地域からもこの属のウニが大量に輸入されていますので、北太平洋周辺海域のオオバフンウニ属の種と分布範囲を科学的に解明することが急がれます。
ツガルウニは水深10~60mのやや深い所に分布し、オホーツク海や噴火湾のホタテガイ漁場で漁獲されています。ツガルウニは普通泥っぽい餌を食べていて、味が良くないですが、コンブなどの流れ藻を食べているウニの生殖巣は味も良く、出荷されています。